迫りくるクリーチャーから灯台を守れ。『コールド・スキン』ネタバレ&感想レビュー

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こんにちは、とあるです!

 

今回お話しする映画は

 

コールド・スキン

 

(C)Skin Producciones A.I.E – Babieka Films – Babieka Entertainment – Kanzaman France – Pontas Films (2016)

 

です!!!

 

この映画は以前お話した『ミューズ 悪に堕ちた女神の魂』と同じく新宿シネマカリテさんのカリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018というイベントなどで上映された作品のようですね。

 

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kanpyomaki.com
2018.11.15

 

この新宿シネマカリテという劇場、観たいけど自分の住む地域ではやってないような映画をいつも取り扱ってるイメージがあります…。

こういう時、東京の皆さんが羨ましく思えますね~…w

 

さて、余談はここまでにして、まずはストーリーや予告動画からどうぞ!

 

この記事の目次

  1. ストーリー
  2. 予告動画
  3. ネタバレ
  4. 感想&レビュー
    1. 灯台をめぐる攻防
    2. おっちょこちょい
    3. クリーチャーの見た目について
    4. ラストが…好きだ。
  5. 最後に

ストーリー

 

 

夢に破れ、気象観測員として南極海の果ての無人島にやってきた青年フレンド。

島には変わり者の灯台守グルナーがいるだけと思っていたが、夜が更け始めると、人ではない生き物が大群になって押し寄せてくる。

フレンドとグルナーは生き残るため、灯台を要塞にして正体不明のクリーチャーと戦いを繰り広げる。

 

映画.comより

 

予告動画

 

 

ネタバレ

 

※この項を飛ばして感想&レビューが読みたいという方は、

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感想&レビューを見る

 

 

変わり者の灯台守グルナー(レイ・スティーブンソン)が1人で住む孤島に、気象観測員として配置されてきたフレンド(デビッド・オークス)、彼はチフスで死んだという前任者アルドールの家に住むこととなりました。

 

しかしその日の夜、フレンドの家を獣のような“何か”が襲います。運良く撃退できた彼ですが、アルドールの死因がチフスによるものではないことを感じ取ると、家の防備を固めることに。

すると次の日の夜も“何か”は家を襲いに来ます。よく見てみるとその姿は限りなく人間に近い魚人(以下、クリーチャー)のようでした。

 

フレンドは銃での応戦が難しくなると、家の周りに置いた油漬けの本に火をつけます。クリーチャーは撃退できたものの、家は焼け落ちてしまいました。

 

日が登るとフレンドは、島の危険性を話さなかったグルナーに復讐しようと彼を追いました。しかしそこで、一体のクリーチャーが襲いかかってきます。

フレンドは咄嗟に迎撃しようとしますが、現れたグルナーはそれを止めさせます。彼はその雌のクリーチャーを飼い慣らし、共に暮らしているのだと教えてくれました。

 

その後グルナーによって灯台に招かれたフレンドは復讐を諦めて共に暮らすことに。クリーチャーの襲撃はそれからも続きましたが、激戦の日々を過ごすうちに主人公はたくましく成長していきました。

 

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ある日、フレンドはグルナーの飼っているクリーチャーにアネリスという名前をつけると、彼女にクジラの骨で作った船の模型を見せました。アネリスはしばらく模型を眺めたうちに、フレンドを岸へと案内します。そこには木製の小舟がありました。

 

島に船はなく、連絡船も来ないとグルナーから聞かされていたフレンドは、灯台に戻って彼を問い詰めます。するとグルナーは

「その小舟で逃げ出すのだろうと思った。」

と答えます。

 

フレンドは以前、沖に見つけた船に対し救援要請の信号弾を放とうとした際にグルナーに制止されたことを思い出すと、彼は外界への助力を極端に嫌う傾向があるのだと思いました。

 

その後のグルナーの話から小舟がダイナマイト密輸業者のものであり、近海にはその積み荷が沈んでいることを知ったフレンドは、そのダイナマイトをクリーチャーの殲滅に利用することを提案し実行します。

 

灯台に帰って引き揚げた積み荷を確認してみると、まだ使用可能なダイナマイトがいくつかあったため、2人はさっそく灯台の周りに設置します。しかしいくら待ってもクリーチャーたちは姿を現しません。

 

グルナーはアネリスが内通しているのだと思い激しく責めたてると、すぐに仲間を呼ぶよう彼女に強要しました。アネリスが鳴き声をあげるとクリーチャーは大群をなして現れました。

 

グルナーはクリーチャーをギリギリまで引き付けダイナマイトを起爆しますが、設置場所が悪く灯台もろとも爆風に巻き込まれてしまいました。

 

気を失ったフレンドが目を覚ました時、そこにアネリスの姿はありませんでした。そしてその日を境にクリーチャーの襲撃はぱたりと止みました。

 

それからしばらく経ったある日、海岸を探索していたフレンドはクリーチャーの子どもがいるのを発見します。フレンドはアネリスに見せた船の模型を置いて灯台へ帰ると、夜には既に無くなっていました。

 

朝を迎え、見張りを終えたフレンドはベッドで眠っているグルナーを見つけます。ふとそばに置いてあったブリキ缶を覗いてみると、中にはアルドールと妻の写真が入っていました。

 

そのアルドールの顔を見たフレンドは、今までグルナーとして接してきた人物が実はアルドールだったことに気づきますが、その事を尋ねることなく船の模型を置いた浜辺へ向かいます。

 

フレンドが浜辺に着くとアネリスを含めた多くのクリーチャーが現れましたが、その態度はいつもとは違い友好的。しかしクリーチャーの子どもがフレンドに船の模型を手渡そうとした瞬間、1発の銃声が響きました。

 

それはアルドールによるものでした。彼はクリーチャーの中からアネリスを見つけると、灯台に戻るよう何度も声を掛けます。しかし、アネリスに戻る意思がないことを察すると、

「見捨てるな。見捨てられるのはもうご免だ。」

といい、灯台に帰っていきました。

 

フレンドは海へ帰るアネリスを見送りますが、灯台に戻ったアルドールが突如クリーチャーの子どもを狙撃します。憤ったフレンドは彼のもとに走り、激しく争いました。

 

しかし次第に追い込まれていき、ついに斧で斬り殺されそうになったフレンド。彼は咄嗟に、

「やめろ!アルドール!!」

と叫びます。

 

それを聞いたグルナーもといアルドールは手を止めると、

「愛を、愛を、愛を。」

と写真にメモ書きされていた言葉をつぶやいて、灯台の外へ向かいました。

 

外にはアネリスの敵討ちにきたクリーチャーの群れ。アルドールは深呼吸をして星空を見上げると、彼らの前に自らの肉体を差し出しました。

 

その出来事からいくつもの月日が経ったある日、島の灯台を軍人が訪ねてきます。彼が中で寝ていた男に、

「グルナー、新しい気象観測員を連れてきた。前任者はどこだ。」

と尋ねると、

 

グルナーと呼ばれたその男は、

「チフスで死んだ。」

と答えました。

 

孤島の周りには軍艦が多く航行しています。第一次世界大戦が始まっていました。

 

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感想&レビュー

灯台をめぐる攻防

 

序盤以降、迫りくるクリーチャーを撃退する舞台が、気象観測前任担当者であるアンドールの家から、グルナーの住む灯台へと移るのですが、ここでの攻防が熱い!!

 

灯台に住むのはグルナーとフレンド、そしてアネリスの三人。しかしアネリスはクリーチャーであるため同胞を倒すことはなく、実質二人だけで無数のクリーチャーの相手をしなければならないんです。

 

せめて前方からの敵に絞れたらいいのですが、灯台は円柱。360度から敵がよじ登ってくるんですね。

 

一瞬の隙が命取り。

 

これを毎日やるって相当精神をすり減らされそうです…。

 

おっちょこちょい

 

前項で書いたように、いつ命を失ってもおかしくない状況なのに、割と二人は抜けているんですよね…。

 

クリーチャーを追い払おうとつけた火が家に延焼してしまう。クリーチャーが現れるのは夜なのに、あろうことか灯台の光もつけず、窓を全開にしたままチェスを楽しんでいて襲われる。クリーチャーを一網打尽にするために設置したのに、置いた場所が灯台に近すぎて仕掛けたダイナマイトの爆風に巻き込まれる。

 

…など。

 

グルナーに関しては、よくこれで今まで生きてたなと思いました…w

 

クリーチャーの見た目について

 

この映画に出てくるクリーチャーは、あの『パンズ・ラビリンス』のキャラクターデザインで有名なアルトゥーロ・バルセイロとタッグを組み、リアルさを追求するために生物学者とも意見を交換して作り上げていったのだそう。

 

もし人類が海の中で独自の進化を遂げていたら、こんな見た目かもしれないなぁと思いましたね。いないとも言い切れないギリギリのフォルムにロマンを感じます。

 

本作を借りた際に見たジャケットでは、ヴォ〇デモートに似てんなぁ…なんて思っていましたが、予告版のコメントを見るに皆さんも同じことを思っていたみたいですね( ̄▽ ̄;)

 

ラストが…好きだ。

 

物語ではクリーチャーが灯台を襲う明確な理由は示されていないのですが、おそらくこの島の近海は彼らのテリトリーだったのでしょう。

 

ところが軍が予算を使い切るために島に灯台を建てたことによって、そのテリトリーは侵され、アネリスも連れ去られてしまう。クリーチャーたちは自らの種族の防衛のために、夜な夜な悪の象徴である灯台とそこに住むグルナーを襲いに来ていたのではないでしょうか。

 

映画を鑑賞している僕らからすれば、おぞましく、意思の疎通もままならないクリーチャーが襲ってくるのは恐怖であり、フレンドたちが生き残ろうとするのを応援したくなりますよね。

 

しかしグルナーが灯台を守っていたのは、果たして自らの命を守るためだったでしょうか。アネリスとの生活を奪われないため、だったのでは?

 

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。」

 

よく映画に出てくるニーチェの一説ですが、本作でもそれは登場していました。グルナーは妻を想う優しい気持ちをアネリスに代替してしまったがあまり、彼女を支配する怪物になり果ててしまったのかもしれませんね。

 

ラストでは第一次世界大戦が始まっています。

 

あなたはこのラストをどう思いましたか?

 

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最後に

 

パッケージの見た目につられてレンタルし、軽い気持ちで観ようと思っていた本作。

しかしいざ観てみるとタワーディフェンスとしてのアクション要素はもちろん、戦争へのアンチテーゼとも取れる話の構成に作品としての面白みを感じることが出来ました。

 

たとえ地元の映画館でやっていたとしても観ていなかっただろうなぁと思うと、ジャケ借りしたことで思わぬ名作に出会えた運命(さすがに言いすぎ?w)に感謝です。

 

メジャーな作品ばかりではなく、たまにはこうやって何の気もなしに借りて観るのも面白いと思います。…もちろんハズレもあるんですけどねw

 

今回はここまで!最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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