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【解説】映画ブログの書き方|構造的な問題をクリアし、目的に則した文章を書こう

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「文章を書くのがニガテ。でも映画は好き。映画を観て、感じて、思ったことを書こう。それで文章の勉強をしよう」

そんな考えからこの映画ブログを立ちあげ、遅筆なりに感想を書きつらねてきたわけですが…あるときから更新頻度が落ちていきました。書いてなかったわけではありません。しかし、どうにも気になることがひとつ、できてしまったのです。

それが「文章と立ち位置のねじれ」でした。書きおわって、自分で読んで「アレ?これ、どの層が読む文章なんだ?」と。

その後はもう色んなブログを読みあさりました。ブログを読むのは好きなので苦ではなかったのですが、その読みあさった中にも「文章と立ち位置のねじれ」を感じるブログはあり、読者として違和感を覚えることも多かったです。

そうして読みすすめていくうちに、これには「映画ブログの、それも感想・考察ブログ特有の“構造的な問題”」が影響しているのではないか、という考えが浮かぶにいたりました。

今回のブログではその“構造的な問題”を明らかにすることで、現に映画ブロガーとして活動している方、映画ブログをやってみたいと考えている方に、いま一度、自身がやっている、やろうとしているスタイルを顧みていただきたいと思います。

運営する理由・目的をも見つめなおすことで、あなた自身に映画ブログの書き方を見つけてもらいたい…そういう思いから書いているので、直接的にこうだとは書いていませんがよろしくお願いします。

この記事の目次

  1. 構造的な問題とは
    1. ①検索から読みにくる方の場合
    2. ②SNSに貼ったリンクから読みにくる方の場合
    3. ③記事を読んだうえでほかの記事も読む方の場合
  2. 理由・目的を捉えて探る、映画ブログの書き方
  3. 最後に

構造的な問題とは

文章で書いてもわかりづらいので『桃太郎』が映画であるという世界線で解説していきましょう。それこそ意味がわかりませんが、まず一気に3つの例を提示してから、それぞれの性質を考えていきます。

①検索から読みにくる方の場合

ユーザー

「桃太郎 感想」
「桃太郎 考察」
っと…検索!

『桃太郎』|団子ごときで命を賭すお供ってなに?(笑)ネタバレあり感想

ネタバレあり『桃太郎』の考察・感想|犬、猿、雉は○○のメタファー?

ユーザー

これだ!ポチッ

その際、最初に検索したときの動機や心理を考えると、だいたいはこれになります。

ユーザー

さっき観た『桃太郎』、おもしろかったな。ほかのひとの感想はどうなんだろう。

『桃太郎』、まだ観てないんだけど気になるな。おもしろいのか?読んだひとの感想が知りたい…

このまえ観た『桃太郎』、出てきた動物に意味とかあったのか気になるな。考察してるひと、いないかな。

すでに観たうえで情報がほしいひとか、まだ観てないけど読むか迷っている(もしくは世間的な評価が気になる)から情報がほしいひとですね。

ちなみにですが『桃太郎』の存在を知らないひとは検索からはきません。検索ワードに『桃太郎』と打てないから。しかし、これがのちの2つのケースでは変わってくるのです。

②SNSに貼ったリンクから読みにくる方の場合

ユーザー

(スクロール中)

ブロガー

『桃太郎』|団子ごときで命を賭すお供ってなに?(笑)ネタバレあり感想

ユーザー

ん、読んでみよ。

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心理はこうでしょうか。

ユーザー

このブログ、自分もこのまえ観た『桃太郎』の感想をあげてる。おもしろかったけど、団子で命を賭すのはたしかに変だな。おもしろい視点だ。もっと読んでみよう。

(記事のアイキャッチ等を見て)ん、これなんてやつ?『桃太郎』?団子ごときで命を賭すって…知らない話だ。気になるなー。

しかし同時に、ただTLを眺めていたらあなたのリンクツイートが流れてきたという方もいます。その中には『桃太郎』をすでに観た方も、まだ観ていない方も、存在すら知らなかった方もいるでしょう。

③記事を読んだうえでほかの記事も読む方の場合

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読んだひと” class=”speech-icon-image jetpack-lazy-image” data-lazy-src=”/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?is-pending-load=1″ srcset=”data:image/gif;base64,R0lGODlhAQABAIAAAAAAAP///yH5BAEAAAAALAAAAAABAAEAAAIBRAA7″>

記事を

読んだひと

うん、この感想よかった。

ブロガー

関連記事:『浦島太郎』|それは恩返しなどではない…ネタバレあり感想

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記事を

読んだひと

これも読んでみよ。

このときの心理はこんな感じ。

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読んだひと” class=”speech-icon-image jetpack-lazy-image” data-lazy-src=”/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png?is-pending-load=1″ srcset=”data:image/gif;base64,R0lGODlhAQABAIAAAAAAAP///yH5BAEAAAAALAAAAAABAAEAAAIBRAA7″>

記事を

読んだひと

このひと『浦島太郎』も観てる!懐かしいな~…まえに観たときはおもしろいと感じたけど、このひとはどう捉えたんだろう。

『浦島太郎』は知らないけど、このひとの感性ちょっと自分と似てるんだよな~。読んでみて評価よかったら観てみよう。

どうでしょうか。検索から『桃太郎』の感想を読みたくてきた方でも、関連記事を読むときの状態はTwitterのTLでリンクツイートを見た方と同じだということがわかると思います。違うのは一度あなたの文章、考え方に触れたかどうか。

次の項ではこれを踏まえ、あなたが映画ブログを運営したい理由・目的と照らしあわせつつ、それぞれにあった映画ブログの書き方を提案します。

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理由・目的を捉えて探る、映画ブログの書き方

あなたが映画ブログを運営する/したい理由・目的はなんですか。

備忘録として感想を書きたいのですか。自論を発し、言語化することで映画の内容を自らの中に落としこみたいのですか。外からの意見を取りいれ、思考を昇華させたいのですか。観て感銘を受けた映画をほかのひとにもオススメしたいのですか。それともお金を稼ぎたいのですか。

なぜそれを明らかにしたいのかというと、理由・目的によって書くべき文章、構成、はたまたブログという媒体ごと変えたほうがいいこともあるからです。僕が「文章と立ち位置のねじれ」を感じたのは、この部分がズレていたからでした。

また先ほどの図に登場してもらいます。今度は『桃太郎』が地上波で放映された世界線を想定してください。イマジン。

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鑑賞済みのひと
ブロガー

『桃太郎』|団子ごときで命を賭すお供ってなに?(笑)ネタバレあり感想

ブロガー

地上波での放映だし、観た人も多いはず。これを機にアクセスアップ。

鑑賞済みのひと

“なんと銘菓でもない、手作りの団子をもらっただけで鬼を退治しにいくのです!ほかにもヘンテコな展開だらけで笑えましたね~(中略)僕はあまりノレませんでしたが、気になった方は「風流」や「U-EXIT」で無料で観られるのでぜひ!”

…は?気になったもなにも、観たから感想を読みにきたんだけど。団子で鬼退治するのも知ってるし。時間の無駄だったな。

ねじれてますよね。ブロガー側は『桃太郎』の気になったポイントを紹介し、あわよくば配信サービスのアフィリエイトでお金を稼ごうとしています。しかし、読みにきた方は話の内容よりも、あなたの感想・考察が知りたいのです。こういうブログ、ちらほら見かけましたよ。

では、どうすればよかったのでしょうか。

もし単に映画を紹介したいのであれば、ブログにせずともツイートでOKです。わざわざリンクを踏んで読みにきてくれる方はとても少ない。それに①で示したように「タイトル+感想」などの検索ワードでくる方の多くはその映画を知っているため、紹介する内容を書いても意味があまりないのです。

仮にそれでもブログにしたいというならば、まとめ記事がいいでしょう。「日本の昔話を題材にした映画7選」 これならば『桃太郎』の紹介ができます。

次に、自分が『桃太郎』を観た感想はこうでした、こう感じました…という思考の放出をブログでしたいのであればどうでしょう。

極端な話、「動物たちが桃太郎のお供になるシーン、あそこどうですか?自分はいまいちリアリティのない展開だなと思いました。本作がニガテだという方、あそこが嫌いなんじゃないですかね」と、読みにきた方が鑑賞済みであることを信じて寄りかかった文章にするのもアリだと思います。

でも、そうしてしまうと、ブログの常連さんや③で示したような一部の方は意味がわからない。ここの折り合いは難しいところで、あるブロガーさんは記事の前半だけネタバレなし、後半からはネタバレありで感想を書くという方法を採っていました。

僕はというと冒頭のとおり、文章を書くのがニガテなため、そんなテクニカルなことはできません。はなからネタバレありでの感想を想定しています。ただ、ラスト・結末の詳しい言及は避けて、あくまでそれを観た感想に留めるということはしています。

『桃太郎』であれば「ラストについては、村人の気持ちに寄りそえる人なら爽快な展開だったと思いますが…鬼ヶ島では子どもの鬼がいるシーンもあり、あのような孤島で飢えつつ暮らす彼らのことを思うと胸が苦しくなりましたね」と。

これなら観たひとはなにを言っているのかわかるし、まだ観てないひとも想像の余地がありますよね。なかなか苦しい書き方だとは思いますが、これもひとつの手だと思います。

どうでしょうか。自分のしたいことを明確に捉えれば、おのずと書き方が定まってくる気がしませんか。

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最後に

映画ブログが抱える構造的な問題を理解し、ブログを運営したい理由・目的に則した立ち位置を見つめなおそう。それによって、あなたが採るべき映画ブログの書き方を見つけよう、ということでお話ししてきました。

このブログではあまりライティング自体のことを教えていませんが、それについては僕がたびたび見返して参考にしているブログを貼っておきますので、よければ読んでみてください。ためになります。

最後にひとつだけ。ここまで映画ブログ、とりわけ感想ブログの書き方についてをお話ししてきましたが、あなたのブログ、それはあなただけのものです。

感想といいながら「ここんところ、姑がエビで鯛を釣るようなマネばかりしてきてウザいんですよね。手づくりの石鹸とかいらんから。『お返しはいらないからね』って逆に催促されてんの?わたし」とか書きつらねてくれてイイ。

ちょっとばかし最後に「だから、団子ごときで鬼退治にまでいける動物たちの心情とか、本気で理解不能でした」とか書いてくれたら、それもそれで感想なのです。

映画ブログ…感想・考察ブログは正しい情報ばかり求められるネットの海で、個人の主張がメインコンテンツとして読みものになる、数少ないオアシスです。ここでのことは頭の片隅にでも置いて、楽しんで運営してくれたら…と思います。

今回はここまで。ご意見、ご感想はコメント欄にお願いします。ではでは。

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