2019年のアカデミー賞作品!映画『グリーンブック』の感想をネタバレなしでお届け!

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こんにちは、とあるです!

 

今回は先日行なわれた第76回ゴールデン・グローブ賞で最多三部門(作品賞、助演男優賞、脚本賞)受賞を果たした勢いをそのままに、なんと第91回アカデミー賞においても作品賞と助演男優賞を獲得した作品、

 

グリーンブック

 

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についてお話しします!!

 

日本での公開は2019年3月1日からとなりますが、青山シアターさんの日本最速試写会というものにご招待して頂いたので、一か月以上も早く観ることができました。

 

試写会に誘っていただいたものの役目として、このブログでは皆さんに本作品の魅力をしっかりとお届けできたらと思っています。

 

それではまず作品情報や予告動画からどうぞ!

 

ストーリー

 

 

時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。

ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。

彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。

二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。

 

映画『グリーンブック』公式サイトより

 

予告動画

 

【公式】『グリーンブック』3.1(金)公開/本予告

 

スタッフ・キャスト

スタッフ

 

監督、製作、共同脚本…ピーター・ファレリー(『メリーに首ったけ』、『愛しのローズマリー』)

製作、共同脚本…ニック・バレロンガ

音楽…クリス・バワーズ

音楽監修…トム・ウルフ、マニシュ・ラヴァル

 

キャスト

 

トニー・“リップ”・バレロンガ…ヴィゴ・モーテンセン(『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『はじまりへの旅』)

ドクター・ドナルド・シャーリー…マハーシャラ・アリ(『ムーンライト』、『アリータ・バトル・エンジェル』)

ドロレス・バレロンガ…リンダ・カーデリニ(『Return』、TVドラマ『MAD MEN マッドメン』)

 

※太字=役名、細字=俳優名、括弧内は主な出演作。

 

“グリーンブック”とは?

 

本作品のタイトルでもある“グリーンブック”

孤高のピアニスト、シャーリーのマネージャーとして働くことになったトニーはこれをもとにツアーに回っていくのですが、実は自分、この本の存在を本作で初めて知りました(-_-;)

 

周りに聞いてみても知らないという人が多かったので、ここでは作品を深く味わうための予習として、グリーンブックとは何なのかをまとめてみました!

 


 

グリーンブックが出来たのは1936年。ニューヨーク市の郵便集配人ヴィクター・H・グリーンによって創刊されました。

 

かつて貧困にあえいでいた黒人の中にも中産階級が生まれ、多くの黒人が車を所有するようになっていった時代。その当時は白人の経営するガソリンスタンドや宿泊施設での利用拒否といった他、暴力による強制排除といった差別が頻繁に起きていたそうで、グリーンはその問題に対処するため扱う地域や規模を拡大していきます。

 

グリーンブックには黒人労働者、旅行者でも利用可能な施設が掲載されており、のちの1964年に人種差別の禁止を盛り込んだ公民権法が議会を通過して廃刊となるまで広く使われていました。

 


 

…人種差別が一般的に浸透していたこの頃のアメリカでは、グリーンブックのように副次的な書籍も販売されていたんですね。

 

人種差別やジェンダーなどがセンシティブな問題として取り上げられることが多くなった昨今、その歴史や実際に行われてきたことについて知る機会が増えているとは言えども、日本に住んでいて且つ当時を知らない私たちにはまだまだ知らないことが多そうです。

 

さて少し長くなってしまいましたが、グリーンブックについての知識を深めたところで、ここからは本作を観た感想をたっぷりとお伝えしていきます!

 

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感想

実話ベースの物語

 

実はこのグリーンブックは実話をもとに作られたお話。

 

作中では妻ドロレスが作業に来た黒人技師に飲み物を提供した際、彼らが返却したコップをトニーが無言で捨てるといったシーンがありますが、実際の彼も人種差別的な考えを持っていたそう。

 

ところがその後、シャーリーのマネージャーとして一年半(作中では8週間)の間ツアーに同行して帰ってきたトニーは、生まれ変わったように今までの考えを改めていたとのこと。

 

本作で描かれた二人の出会いからツアーの終わりまでの約8週間では、トニーの粗暴な性格やシャーリーが受けてしまういわれのない差別が災いして、これほど前途多難なツアーはあるのかってくらいの内容となっています。

 

しかしそんな中で時に反目しあい、時に協力し合いながら徐々にその意識を変えていく様子が、トニーの息子であるニック・バレロンガによる製作・共同脚本のもとで克明に描かれていくんですね。

 

人の性格は30歳を過ぎるとなかなか変わらない…なんて言いますが、何がトニーの心境に大きな変化を与えたのか。鑑賞の際にはぜひ注目して観てみてください。

 

もうひとつのストーリー

 

もし前項での話を読んで、

 

肌の色だけで人を差別をしていたトニーが、シャーリーの持つ内面に惹かれて変化していくんだろな…まぁよくある話だから観なくていいか。

 

と観るのをやめようとした方がいるのならば、この項を読んでからやめてほしいです。この作品のストーリーにはそれだけに留まらない大きな魅力があるのです。

 

それは黒人ピアニスト、シャーリーのドラマが物語に平行していること。これによって作品の深みが格段にUPしているのですね。

 

まずシャーリーの生い立ちから経歴までをさらっと紹介すると、

 

母親に教えられて2歳でピアノを始め、9歳の頃にはクラシックを中心に音楽理論や作曲の勉強に励み、18歳の時にボストンポップスオーケストラをバックにつけてコンサートデビュー。また心理学や典礼芸術の博士号を持っており、8か国語を話すことも出来る。

 

と天才というのも伊達じゃないなというものになっています。

 

作中でもカーネギーホールの上の階にある煌びやかな自室で身の回りの世話をすべて召使いに任せて暮らしており、何不自由ない暮らしをしているシャーリー。そんな彼のドラマがどうしたのかって思いますよね。

 

しかし彼がいくら裕福で才能ある人物だとはいえ黒人であることに変わりはありません。街を出歩けば他の黒人と同じように差別を受けてしまいます。そしてここに彼だけの問題、

 

同じ黒人からの敬遠

 

が加わるのです。当時の黒人にはまだ低賃金で働く労働者が圧倒的に多く、シャーリーのような存在には羨望というより不快感を持つ人もいたのでしょう。同じ黒人であるにも関わらず、彼らからも距離を取られてしまうのです。

 

白人は自らのピアノの腕しか見てくれず、黒人の中でも浮いた存在であるシャーリー。

 

本編ではそんな孤独な心境である天才の姿を2017年のアカデミー作品賞ムーンライトのフアン役に続き、本作でもアカデミー助演男優賞を獲得したマハーシャラ・アリが演じています。

 

各シーンで様々な表情を見せてくれる彼の演技は決してオーバーなものではなく、注意して観ないと見逃してしまうような細かなものも。でもだからこそリアルな思いが伝わってくる、物語への没入ができるんですね。

 

トニーの心境の変化だけでなく、シャーリーという人物のドラマも絡めて描かれた唯一無二のストーリーをぜひ劇場で味わってみてください。

 

ストイックな役作り

 

トニー役に抜擢されたヴィゴ・モーテンセンロード・オブ・ザ・リングシリーズのアラゴルン役として有名な俳優ですが、その時の彼とは想像もつかない見た目ですよね。

 

あれからヴィゴの出演作品をチェックしていなかったので、正直試写会で観た時は彼だと気づかなかったです…ww

 

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© 2002 – New Line Productions

 

これは単に歳を取って太ってしまったとかではなく、役作りのために14キロもの増量をした結果なのだそう。衣装係に「昨日より痩せたね。」なんて言われた際にはドカ食いして体形のキープに励んだのだとか。

 

 

日本でも去年の大河ドラマ西郷どんで主役を張った鈴木亮平のように役作りのために肉体改造をする方はいますが、今年60歳を迎えた彼はもう別次元の域。ストイックなプロ意識を持っているのだなと思いましたね。

 

エンドロールでは実際のトニー・リップの写真が流れるのですが、もう雰囲気から何までそっくりでした!(ちょっぴりヴィゴの方がイケメンでしたけどねw)

 

小気味よいコメディ要素

 

本作の監督を担当したのはピーター・ファレリー

 

彼の監督作として有名な作品にはキャメロン・ディアスの出世作として知られるラブコメディメリーに首ったけがありますね。あまりの下ネタオンパレードな展開に終始笑いを堪えながら観ていたのをよく覚えていますw

 

しかし本作ではそんな下ネタは封印して、トニーとシャーリーの物語に彩りを加えるお洒落なユーモアを私たちに届けてくれるんですね。

 

中でもケンタッキー州での公演に向かう道中のやりとりは彼らのキャラクターをフルに活かしたものとなっており、試写会場でも笑いが絶えませんでした。観終わったあとには無性にフライドチキンが食べたくなるんじゃないかなぁ…ww

 

観る前には自分が最近90分映画ばかり観ていたことから、グリーンブックの上映時間が130分もあることを少し心配していましたが、

 

いざ観終わってみると130分てこんな短かったっけ??と感じるほどで杞憂だったことがわかりました。そう感じたのにはストーリーの面白さだけでなく、きっとこの小気味よいコメディ要素があったからなのではないかな~と思いましたね。

 

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最後に

 

他の人種に差別的感情を持っている主人公トニーが、仕事上仕方なく接することとなった天才黒人ピアニストのドン・シャーリーとの関わり合いの中で徐々にその意識を変えていく様子や、

 

白人からの差別は勿論、仕事に成功したことで同じ黒人からも距離を取られてしまうシャーリーの孤独な心境を、小気味よいコメディと共に丹念に描いた映画グリーンブック

 

ストーリーには意外とさっぱりした印象を持ちつつも、各人物の心境の変化を味わうことで物語の深みは十二分に堪能できました。観た後にはきっと130分ってこんな短かったっけ?って僕と同じ感想を持つはず…?

 

そんな2019年のアカデミー作品賞に輝いた映画グリーンブックは、2019年3月1日から上映開始。気になった方はぜひ劇場でご覧になってみてください!

 

以上、映画鑑評巻のとあるでした!

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