こんにちは、映画ブロガーのとあるです!
今回は小説家コナン・ドイルが執筆し、今なお根強い人気を誇る『シャーロック・ホームズ』シリーズの主人公ホームズとその相棒ワトソンを、ウィル・フェレル、ジョン・C・ライリーの二人が演じたサスペンス・コメディ、
『俺たちホームズ&ワトソン』
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についてお話しします!!
えー、ですがその前に1つ申し上げることがありまして~…この映画は2018年度のゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)にて最低映画賞、最低監督賞、最低助演男優賞、最低リメイク・パクリ・続編映画賞の4冠を獲得した映画となります!!(パチパチパチ)
ゴールデンラズベリー賞とは何ぞや?って方に簡単に説明すると、“最低映画を決める賞”のことです。2019年度で第40回開催を迎えるほどで割と伝統のある賞なんですよー。
本作と同年のラジー賞で最多6部門ノミネート(受賞はならず)となった、ジョン・トラボルタ主演の『ギャング・イン・ニューヨーク』は以前、当ブログでも取り上げましたが、
あちらがノミネートに相応しい内容だったのに対し、グランプリに輝いた本作はどうなんだろう?と思って早速レンタルしてみました。
『ギャング・イン・ニューヨーク』のネタバレ、感想はコチラ
コメディ俳優として有名なウィル・フェレルも出てるし、割と面白そうだなと思うんですけどねぇ。
まぁ、詳しい感想や評価は…また後でお話するとして、まずは作品情報からどうぞ!
この記事の目次
- 作品情報
- 主なスタッフ
- 主なキャスト
- イントロダクション
- 予告動画
- ネタバレ、結末
- 感想
- 笑いどころ満載の90分
- ご都合主義なサスペンス
- 評価、まとめ
作品情報
主なスタッフ
監督、脚本:イータン・コーエン
製作:ウィル・フェレル、アダム・マッケイら/製作総指揮:クリス・ヘンチー
ジェシカ・エルバウムら/撮影:オリヴァー・ウッド/衣装:ベアトリス・アルナ・パーストル/編集:ディーン・ジマーマン/音楽:マーク・マザースボウ
イータン・コーエン監督は主に脚本家として活動しているようで、映画の監督は2015年の『ゲット・ハード/Get hard』が初。
しかし本作主演のウィル・フェレルとはこの作品の時にタッグを組んだ経験があるようで、イータン×ウィル作品の2作目が本作となるみたいですね。
撮影監督として『フェイス/オフ』や『ボーン』シリーズのオリヴァー・ウッドが名を連ねているのも意外なところです。
主なキャスト
シャーロック・ホームズ:ウィル・フェレル
ジョン・ワトソン:ジョン・C・ライリー
グレース・ハート:レベッカ・ホール/ミリー:ローレン・ラプカス/ハドソン夫人:ケリー・マクドナルド/レストレード警部:ロブ・ブライドン/モリアーティ:レイフ・ファインズ/グスタフ・クリンガー:スティーブ・クーガン
ウィル・フェレルの日本における知名度はそこまで高いとは言えませんが、自分は幼少期に『エルフ~サンタの国からやってきた~』を観てからずっと彼の演技の虜。
身長190cmもある大柄な男性なのに表情や仕草は子どもっぽくて、とってもキュートなんですよね!
ジョン・C・ライリーはあまり自分にとって馴染みのない俳優ですが、これを機に彼の出演作もチェックしてみようと思います!
イントロダクション
名探偵として名声を欲しいままにしていたホームズとワトソン。
そんなホームズは自身のサプライズ誕生日パーティーにて偶然モリアーティ教授からの脅迫状を発見する。
そこには女王の殺害予告が書かれていて…
プロレスラーとの突然の決闘や女王の殺害未遂を乗り越えながら、天才的なひらめきで彼らはこの難事件を解決できるのか?
ソニー・ピクチャーズ公式より

予告動画
ネタバレ、結末
※この項は約2分ほどで読めますが、映画『俺たちホームズ&ワトソン』のストーリーを結末までネタバレしていますので、お気を付けください。
殺人犯モリマスクレーヴという名の偽物であることを見抜き、傍聴席を湧かせた探偵シャーロック・ホームズ。
ある日、バッキンガム宮殿にて自身の誕生日会に参加した彼は、入刀したケーキの中からモリアーティの印のある女王陛下への殺害予告状を携えた死体が転がり落ちてくる事件に遭遇し、さっそく捜査を開始。
相棒ワトソンと米国の女性医師グレースが司法解剖の際に見つけた歪なタトゥーに着目した彼は、片腕の彫り師グスタフが染料に毒を仕込んだのでは…と推測し、ワトソンと共に居場所を探し始めます。
捜査に必要のない飲酒を繰り返したりと道草を食ってばかりの2人でしたが、その後、何とかグスタフを発見。しかし、彼は背後に居たモリアーティの投げたナイフで始末されてしまいます。
その場から逃走するモリアーティ。ワトソンが咄嗟にグスタフの体に刺さったナイフを引き抜いて投げると、それは脇腹に命中し、彼は床に倒れこみました。
調べてみるとその人物は偽物のマスクレーヴでしたが、彼はキーアイテム“石炭”と「ニューカッスルへ届けろ」という言葉を遺して息絶えるのでした。
家に戻り、思考に耽るホームズですが、誕生日会で出会ったグレースの助手ミリーへの恋心に邪魔され、いつものキレのある推理が出来ません。モリアーティが既に米国に渡っているとの仮定は彼の中で確定事項でしたが、真犯人が想像出来ないのです。
しかし自身以上の天才である兄に相談した際、「犯人は身近な人物である」とのアドバイスを受けたホームズは、日頃から共同探偵になりたいと愚痴を漏らしていた相棒のワトソンが犯人なのではと考え始めます。
善は急げだとワトソンを連れて警察署に赴くホームズ。ワトソンは署内で急に犯人扱いされて驚くも、抵抗むなしく逮捕され、のちに死罪が確定しました。
事件は解決。すっきりした気持ちで書類を整理するホームズですが、不意に頬を涙が伝います。このことから彼は自らの心がこの推理を否定していることに気づきます。
拘置所へと向かってみるも牢の中には食べ残したケーキがあるのみ。絶対に食べ残しをしないはずの彼が何故?…そう考えたホームズの頭の中で事件の犯人とワトソンの行方、女王陛下殺害の舞台の謎が全て解けました。
犯人は下宿先の尻軽な女主人ハドソン。彼女は出自を偽ったモリアーティの娘であり、幼い頃に家を去った父の愛を得ようと事件を起こしたのです。
そして今、ワトソンを連れ去ったであろう彼女は石炭を使うニューカッスル(新しい城)=豪華客船タイタニック号にいるのではないかと考えました。
すぐさま出航前式典の真っ最中であるタイタニック号へと向かってみると、その推理通り、ワトソンは彼女によって船の動力となる歯車に縛られていました。
しかしハドソンは船内に時限爆弾を仕掛け、既に船外へ脱出済みだと解放されたワトソンは言います。
捜査の末、式典の音楽隊が叩くドラムの中に爆弾を見つける2人。起爆まで残り数秒までのその爆弾をどう処理しようかと迷うホームズに対し、ワトソンは船外に投げるというパワープレイを見せます。
その結果、爆弾は脱出途中のハドソンの小舟を巻き込んで爆発し、女王陛下の命は助かりました。ホームズ&ワトソン、事件を解決した2人に女王陛下を含む乗客から多くの賛辞が送られます。
事件解決後、ワトソンは今まで似合わない帽子を被っていたホームズに鹿撃ち帽をプレゼント。それに対してホームズは冤罪への謝罪と船内での功をねぎらい、彼を共同探偵に任命するのでした。
感想
笑いどころ満載の90分
※この項にはストーリーのネタバレとなる要素は含まれておりません。
いやー、面白かった!本編90分、ずっと笑いっぱなしで表情筋が痛い!w
GW終わりから悩まされていた五月病(もう6月だというのに…)で気分が落ちていた自分ですが、その鬱屈とした心に光をもたらしたのはまさかの『俺たちホームズ&ワトソン』でしたww
本作で描かれるのは今なお世界中で愛される『シャーロック・ホームズ』シリーズを設定こそ踏襲しつつも、
ホームズを頭脳明晰その他ダメダメな探偵、ワトソンを全部がダメダメな残念すぎる相棒としてクリエーションした、シュールで新しい物語。
主人公ホームズ演じるウィル・フェレルはいつもの無邪気で明るい演技に加えて、確かに…いや、僅かにホームズらしさを感じさせる演技を披露するのですが、
ほんの一瞬だけTVドラマ『SHERLOCK』でホームズを演じたベネディクト・カンバーバッチが彼に降臨したかのようでした。そうみると若干顔が似てなくも…いや、ないな。

またワトソン役のジョン・C・ライリーについてはあまり馴染みのない俳優だったのですが、ウィルとの絡みなどではまるで往年の漫才コンビのように安定した面白さを見せており、
そのチャーミングな笑顔とひょうきんな言い回しによって、土壇場で主人公を救うマヌケな相棒というポジションを完璧にこなしていたように思います。両乳首から母乳がとめどなく溢れるワトソンなんて、彼以外には出来ないのではないでしょうか??w
そんな俳優2人の演技に裏打ちされたコメディの面においては、その多くで品とは無関係の低俗極まりないネタ(褒めてる)が占めていたものの、
米英関係の悪化が必至な王室絡みのブラックユーモアや、アメリカの政治を皮肉った社会風刺、
舞台がとある豪華客船へと移る終盤にはあの名作からあの俳優がカメオ出演する小ネタなど、多種多様なネタで充実のボリュームとなっていましたね。
カメオ出演した俳優がレオナルド・ディカプリオやケイト・ウィンスレットではなかったり、社会風刺がお世辞にも上手いとは言えないお粗末なクオリティであったりこそしましたが、
それはそれでまた本作のおかどが知れるというか、良い意味でシニカルな笑いに繋がっていたように思います。
さて、ここまでの語り口でお分かりかとは思いますが、この映画に対しての自分の感想は総じて大満足という結果に終わるわけです。
いや、ほんとに何でラジー賞で4冠、しかも最低映画賞を取ってしまったのか分からないんですよね。90分間、笑いどころ満載の良作サスペンス・コメディだったのに…。超面白かったよ…。
確かに熱心なホームズファンなら激怒して泡吹くレベルの最低な内容ではあったけど…最低ってそういうこと??
あー…思い起こせばサスペンスの面で言うとちょっと物足りない箇所があったのは事実かも。多くの方がコメディとして本作を観ていると思うので必要かどうかは分かりませんが、次項ではサスペンスのパートについてお話していきましょう。
ご都合主義なサスペンス
※この項にはストーリーのネタバレとなる要素が一部含まれますが、結末部分を表す要素はありません。
前項でお話したように自分的には大満足の面白さであった『俺たちホームズ&ワトソン』ですが、それはあまりにもご都合主義なサスペンスに目をつむってのこと。特に序盤がぐだってた印象です。
というのもケーキの中から死体が転がり落ちてきたのなら、被害者に彫られていたタトゥーという要素にピンポイントで着目するし、
タトゥーの線が歪だ…って理由だけで、片腕の彫り師グスタフが関係しているのでは?とか推理しちゃうんですよね…。ちなみにこいつの名前が出るのはこのシーンが初。
真犯人を暴く時にはコメディ要素に囚われている鑑賞者を上手くミスリードさせるような伏線が用意されてて比較的良い印象を抱いたのですが、序盤の後出しジャンケンなサスペンスだけはちょっとな…と思いました。
ホームズ&ワトソンを題材にする必要性があまり感じられなかった本作だけど、もしも両立が出来てたらとんでもねぇ化け物映画が出来上がっていたんじゃないかなぁ…。
あ、あと1つ気になる点としては、本作に脇役として登場したレストレーヴ警部やマスクレーヴなどは原作にも登場したキャラ(設定は全然違うけど…)なのに、グスタフだけオリキャラ(?)なのも気になった。
世界観だけは踏襲したいのか、オリジナルでやっていきたいのか…些細なことですがイータン監督自身、本作をどういう路線で持っていきたかったのかがまだしっかりと定まっていないように感じちゃいましたね。
評価、まとめ
ゴールデンラズベリー賞で最低映画賞取ったと聞いてハードル下げ下げで観賞したら、「あ、そっちの意味の最低か!!」と思うような下品なネタのオンパレード。
これはホームズファンガチギレ案件だ…とすぐに思ったし、とあるシーンでは米英関係が悪化してもおかしくないジョークにヒヤヒヤもさせられたけど、自分としてはめちゃくちゃ楽しめました!w
…ということで映画『俺たちホームズ&ワトソン』を点数にして評価するならば~
80点!!
といったところでしょうか??
いやー、なんでこんな評価低いのか自分には謎な映画でしたね~。面白かったんだけどなぁ~…。
今回お話しした『俺たちホームズ&ワトソン』は2019年6月5日よりDVDの販売を開始。なお同日よりTSUTAYA、GEOなどのショップでのレンタルや、U-NEXT、dTVなどの動画配信サービスでも配信を開始しています。
キスで妊娠できると本気で思っているウブなホームズなど、新たな『シャーロック・ホームズ』の映画が観たい方はぜひ一度観てみてくださいw
それでは今回はこの辺で。本記事に対するご意見、ご感想はコメント欄によろしくおねがいします。ではでは!