殺人タイヤ、荒野を駆ける!『ラバー』ネタバレ&感想レビュー

(c)realitism films-elle driver-arte france

 

こんにちは、とあるです!

 

今回お話しする映画は、

 

ラバー

 

(c)realitism films-elle driver-arte france

 

です!!!

 

見てください、この圧倒的タイヤ感。

すごいインパクト。

しかも、それが動いて…人を殺す??

 

一目見て気になってしまったので、さっそく観てきました~…が、思ってたのとはかなり違いました。

 

詳しくお話ししていきますが、まずはストーリーや予告動画からどうぞ。

 

ストーリー

 

 

砂漠に打ち捨てられた古タイヤのロバートにある日突然、命が宿る。

やがてロバートは念じるだけで物を破壊できるテレパシー能力をもっていることに気がつき、最初は小動物やゴミを破壊していたが、次第に人間に興味を持ちはじめて……。

 

映画.comより

 

 

予告動画

 

映画『ラバー』予告編

 

ネタバレ

 

※この項を飛ばして感想&レビューが読みたいという方は、

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↓↓↓↓↓

 

感想&レビューを見る

 


 

一台の車が、配置された椅子をなぎ倒しながらやってきます。

そこから降りてきたのは保安官(スティーブン・スピネラ)

彼は、どの映画にも理由なき重要な要素があるのだと説き、去っていきました。

 

するとメガネの男(ジャック・プロトニック)が、そばで様子を見ていた観衆に双眼鏡を配ります。

観衆がそれを覗くと、はるか前方でタイヤが動き始めるのが見えました。

 

ロベルトという名のそのタイヤはゴロゴロと転がりながら進み、日が暮れてくると枯れ木の陰で眠りました。

観衆車椅子の男(ウィングス・ハウザー)を除いて皆、眠りにつくことにしました。

 

翌朝、ロベルトは見つけた動物や人間を念力によって爆発させながら転がっていきます。

観衆は昨日より少し興味を持って、ロベルトのことを見ました。

 

次の日、また車椅子の男を除いた全員が眠っていると、メガネの男がやってきてターキーを投げ捨てていきます。

観衆はここ3日間飲まず食わずだったため、寄ってたかって貪りました。

しかし、そのターキーには毒が塗られており、食べなかった車椅子の男以外の全員が死んでしまいました。

 

一方、ロベルトはというとモーテルでシャワーを浴びていました。

しかし部屋を訪れた清掃婦ロベルトをゴミだと思い、投げ捨ててしまいます。

ロベルトは起き上がって、再び部屋に入っていきました。

 

その様子を目撃した1人の少年

彼がのちに部屋を訪れてみると、そこには清掃婦の無惨な死体があったのでした。

 

少年は保安官事務所に通報して、ロベルトが犯人だと伝えますが、誰も信じません。

冒頭に現れた保安官は現場に向かい、清掃婦の雇い主でもある少年の父親から聴取を始めますが、何故か途中で帰ってしまいます。

 

保安官は同僚たちに捜査の打ち切りを告げました。

突然の撤収に訳が分からない様子の同僚。

 

保安官は、この物語自体が虚構なのだと言うと、その証明に自らを撃つよう命じました。

同僚は渋々発砲すると、不思議なことに彼はピンピンしています。

保安官は続けて、清掃婦を確認しろと言いますが、確認しても彼女は死んだままでした。

 

死者は生き返らない。

当然の結果であるものの、何故か驚いた様子の保安官

 

すると、そこにメガネの男がやってきて、

「まだ観ている奴がいる。この捜査の様子を観ている。」と耳打ちします。

保安官は何かを察したかのように打ち切りを訂正すると、捜査を再開しました。

 

しかし、父親の聴取を始めた途端、彼はロベルトによって殺害されてしまいます。

保安官は少年の話が真実であったことを知ると、タイヤによる殺人という前代未聞の事件に対し、本格的に捜査を始めました。

 

一方、メガネの男車椅子の男のもとを訪れ、毒入りの料理を振る舞っています。

先程、保安官に話していた“観ている奴”というのは、ターキーを食べずに双眼鏡を覗き続けていた車椅子の男のことだったのです。

 

メガネの男は彼を何としても殺そうと必死でした。

しかし、車椅子の男は一口も食べず、ただじっとロベルトとそれを巡る物語を見続けました。

 

そのやり取りの間もロベルトは人を殺して回っています。

 

ある時、家でくつろぐロベルトを見つけたと報告を受けた保安官の同僚は、ダイナマイトを巻き付けたマネキンを使って、ロベルトもろとも爆発させようとします。

しかしグダグダとしてばかりで、なかなか仕留めきれません。

 

そうしていると、指示を出している保安官のもとに車椅子の男が現れます。

今まで様子を観察していただけの彼は、捜査に注文をつけてきました。

 

保安官は彼を適当にあしらって、作戦を続行させますが、ロベルトによってマネキンが破壊されてしまいます。

苛立った保安官は家に歩いて向かい、ロベルトにショットガンを見舞いました。

 

そしてロベルトの死体を車椅子の男に投げ渡すと、

「これはないだろう!」と憤る彼の声も聞かず、撤収してしまいました。

 

彼が去った後、家からはひとりでに動く三輪車の姿がありました。

三輪車は、

「観客だから気にするな。」という車椅子の男を問答無用で殺すと、他のタイヤともに街を闊歩しました。

 

場面が変わると、再び保安官が理由なき重要な要素について説いています。

しかし今度はそれを観る観衆の姿はありませんでした。

 

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感想&レビュー

 

轢かんのかい!!

 

これは本編というよりも、予告動画を見て思ったことなんですが…、

 

殺人タイヤなのに轢かんのかい!!

 

まさか念力で人を殺していくとは思いませんでした…w

 

(c)realitism films-elle driver-arte france

 

海外版は上の画像のようなジャケットなのですが、これを見るに人肉ミンチになるくらい轢き潰すのかな??とか思っちゃいますよね~…。予告で知ってなかったら、かなり期待を裏切られていたことでしょう…。

 

無生物の行進

 

本作はコメディやホラー、ドラマなど、扱うお店やサイトによってジャンルのブレがある映画なようで、自分がレンタルしたTSUTAYAではホラーに分類されていました。

 

観ているときはどこらへんがホラー?と感じていましたが、幼い頃、ある番組を観た時に感じていた恐怖を思い出しました。

 

それはNHK Eテレで現在も放送されている乳幼児向け番組いないいないばぁっ!のコーナー、「ボールの旅」

 

 

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation). All rights reserved.

 

この画像に見覚えがある方もいるのではないでしょうか。

 

このピンクのゴムボールのボール君が、意思を持ったように街中を跳ね回るという現象自体、当時保育園に通っていた自分には怖かったんですよね…。

 

それと同じ生理的な怖さをロベルトからも感じました。

 

退屈…。

 

黒タイヤが、荒野をただ

 

ゴロゴロゴロ…。

 

ロベルトが最初の殺人を犯すまでに、なんと本編の約7分の2近くが終わります。タイヤが動くという出オチ的インパクトはとうに消え、そこにはただ眠さだけが残っていました…。

 

その後も特に動きはなく、物語のメインはロベルトの動向から彼を巡るドラマにシフトしていくのですが、それもまたつまらない…。正直、観続けるのが辛くなるほどの苦痛を感じましたね…。

 

しかしあまりにも退屈極まりないものであったため、故意にそうしたのではないか?という疑問が湧いてきました。その理由については次の項で話していきます。

 

映画の映画

 

本作を観られた方やネタバレを読んだ方も感じられたかと思いますが、自分はこのロベルトを巡る環境は映画館そのものなのではないかと考えました。

 

保安官は物語が作りものと知っている保安官役

観衆はその映画を観に来たお客さん

車椅子の男はお客さんの中でも映画に慣れた客、もっと言えば批評家

メガネの男映画製作サイド…と言ったところでしょうか。

 

そうした目線でこの映画の流れを観ていくと、

 

メガネの男が観衆に双眼鏡を渡して、皆はそれを覗いた

映画上映時間となり、訪れたお客さんは鑑賞を始めた

 

メガネの男がターキーに毒を盛った

映画製作サイドが、ストーリーとして不都合な箇所を見せないよう無理に取り繕った

 

ターキーを食べた観衆は死んだ

無理に取り繕った展開に、お客さんは観る気を失った

 

車椅子の男だけは観続けた

それでもなんとか映画を理解しようとした

 

しかし保安官の捜査に文句をつけた

あまりの酷い出来に映画を批判した

 

三輪車が登場し、車椅子の男を殺した

車椅子の男も呆れて観る気を失った

 

保安官が冒頭と同じように話しているが、観衆はいなかった

映画の出来が悪さが知れ渡り、誰も鑑賞しようと思わなくなった

 

となり本作は、ロベルトの物語が粗末なつくりで誰も観なくなった…という物語ということになるのではないでしょうか。

 

このような点から自分は、ストーリー的におかしくても無理やり1本の映画にしてしまう映画製作サイドを皮肉ったものなのではないか、と考えました。ロベルトの物語を退屈なものにしたのは、その皮肉を最大限活かすがゆえなのかな、と。

 

No reason.

 

No reason.(意味なんてない)

 

冒頭で車から降りた保安官が、カメラ目線でいう言葉です。

 

『E.T』で宇宙人の体が茶色なのは何故?

『ある愛の唄』で二人が恋に落ちるのは何故?

 

彼はそう自問したのち、そのすべてに「No reason.」と答えると、偉大な映画にも理由なき重要な要素があるのだと言い残して去っていきます。

 

自分はこの発言について二通りの考えを持ちました。

 

一つ目は、全ての事象に意味を求めたり、作り手の思いを読み取ろうとする批評家への皮肉

二つ目は…ラバーの展開には深い理由などないという前置き

 

しかし、こればかりは答えがありません…。自分としては前者かな?とは思いますが…果たして監督の考えはどうなんでしょうねぇ。

 

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最後に

 

感想&レビューでお話ししたように、ラバーは本編の裏に監督の意図が見え隠れしている…そんな作品のように感じました。

 

しかし、こういう考えを巡らせるから面白さを感じるだけで、本編はすごく退屈なもの。

ジャケットのインパクトから興味本位で観ると、無駄な時間を過ごしたと感じる方も多くなさそうです。

 

かなり前衛的な手法を取っているだけに、なにか惜しい作品でしたね…。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

コメント

  1. 昔観たけどまったく記憶に残っていない…
    レビュー読んで納得しました(笑)

    • とある より:

      いごっそうさん、コメントありがとうございます!

      記憶に残る作品では無いですねw
      ディスクが手元にない状態だったら、見た直後に記事書こうと思っても内容忘れてるレベルです…w

    • ヒトマカルチャー より:

      こんばんは!
      Twitterで引用させていただきました。
      この映画で、ここまで掘り下げて考察されるなんて…すごいです。
      個人的な感想…「空疎…タイヤだけに…w」

      • とある より:

        コメントありがとうございます。
        この考察が正しいかは分からないんですけどね、退屈な映画と一蹴したくなくてこう解釈するに至りました(-_-;)

        おっと、うまいこと言われましたね…座布団一枚!