【ネタバレ感想】映画『クレイジー・ワールド』:カオス、高次元のミックス力

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原題:Ani Mulalu? The Crazy World 製作:2014年 ウガンダ

赤道直下の国、アフリカはウガンダで作られた映画クレイジー・ワールドを観てみました。

監督はウガンダのタランティーノ、ウガンダのスピルバーグとも評される、ナブワナI.G.G.監督。

どうやらこの方、ワカリウッド映画(ウガンダにある街ワカリガに由来)なるものの草分けであるとのこと。

ウガンダ映画はノータッチなうえ、どこぞのキダ・タローに引けを取らない異名にも惹きつけられたので、本作にはかなり期待値高めで臨んでみました(こちらは国を代表してるしね…笑)。

そしたらこれがハチャメチャに面白くてですね…めちゃくちゃ面白いではなく、ハチャメチャに面白いというのがキモ。カオス。トガりすぎているんですが、そのなかにしっかりと、監督の主義主張も練り込まれている作品のように感じました。

なんのこっちゃ…と思う方は観てください。

あ、ちなみにCGは、岩崎友彦監督の映画『クライング・フリー・セックス』並みです。そこも含めて面白いのでぜひ。

以降、作品データと、簡単なあらすじ解説。
感想は本作鑑賞済みの方向けの内容となっています。

トータル満足度:7.0







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評価 :7/10。

ストーリー「3.5」/演技「2.5」/企画・アイデア「3.5」/演出(映像・音楽など)「3.0」/エモーションの震度「5.0」

※満足度・5つの内訳の見方と基準

この記事の目次

  1. スタッフ&キャスト
    1. 監督・脚本
    2. 脚本
    3. 主なキャスト/役名
  2. 予告編(字幕版)
  3. あらすじ
  4. 感想(ネタバレ要素あり)
  5. Next コレ観る? 関連作品ピックアップ
    1. 特集:ウガンダの歴史、人物に触れる映画

スタッフ&キャスト

監督・脚本

  • ナブワナI.G.G.
    監督作:映画『バッド・ブラック』(2016年)

脚本

  • アラン・ホフマニス
    担当作:映画『バッド・ブラック』(2016年)

主なキャスト/役名

  • オムラル/ダウダ・ビサソ
    役どころ:元コマンドー。タイガー・マフィアに娘を誘拐される。
  • アイザック・ニュートン・キジト/キド
    役どころ:タイガー・マフィアに誘拐された子ども。
  • ムキービ・アレックス/Mr.ビッグ
    役どころ:タイガー・マフィアのボス。

予告編(字幕版)

あらすじ

ウガンダ最凶のタイガー・マフィアは、幼児誘拐を繰り返していた。しかしある時さらわれた子供たちの中にカンフーマスターがおり、彼は密かに脱出計画を練り始める。更にかつて娘を誘拐され妻を殺された兵士も加わり、大規模な抗争へと発展する!

「エクストリーム!アフリカン・ムービーフェスティバル」オフィシャルサイト

ラスト・結末までの簡単なネタバレ解説
(タップ or クリックで下に開きます)

息子キドをタイガー・マフィアに誘拐された父親(Aと呼称)。彼は、同じく娘を誘拐され、狂人となった兵士ダウダ・ビサソに協力を仰ぐ。

その後、捜査を経て、誘拐現場に手がかりを発見するダウダとA。そこにはAの兄Mr.ビッグが経営する会社の名刺が落ちていた。

一方その頃、部下が自らの甥であるキドを誘拐してしまったことを知り、焦るMr.ビッグ。

タイガー・マフィアのボスという裏の顔を持つ彼は自身のもとを訪ねてきたAに対し「それは元部下がやったことだ」とごまかし伝えるが、のちにAから報告を聞いたダウダはそれを信用しない。

じつは狂気を装っていただけのダウダは、浮浪者のような身なりで敵を欺き、AとともにMr.ビッグの根城へと殴り込みをかけていく。

息子を拐われたカンフーの精錬ブルース・Uもそこに加わり、攻勢が勢いづくなか、キドら子どもたちは単独ですら敵一味を圧倒するほどのカンフーを見せ、タイガー・マフィアはここに壊滅した。

再会を喜ぶ父と子らを横目に、一人逃亡を図るMr.ビッグ。しかし、彼は自らの低い身長から犯罪者らに子どもと勘違いされ、拐われてしまうのだった。

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感想(ネタバレ要素あり)

いやー、面白かったです。クレイジー・ワールド。まさか60分でここまでの満足感が得られるとは、思いにもよりませんでした。

本編開始すぐに海賊盤撲滅のCMが流れたと思いきや、そのまま本筋へと突っ込んでいく展開。VJによって矢継ぎ早に紹介されるキャラクターたち。

正直、ダウダ・ビサソの妻が殺されたり、娘が連れ去られたりする最序盤に関しては、着いていくのに必死でした。

なんかよくわからん副音声があるし、戦闘シーンもカット割りが早すぎてなにが起きているのかわからないし笑。

しかし、なんでしょう。中盤になってくると、それらにも慣れてくるんですよね。会話劇が増えてちょっとだけペースダウンするのもあってか、理解ができるようになる。

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まるで異世界転生した主人公がその世界に順応し始めて、ことが上手く回りだしていく感じ。

となると、VJがボソッとなに呟いてるのかもちゃんと拾えてきて楽しいし(さんざん海賊版を非難したくせにインディージョーンズのBGM挿入するのは卑怯。絶対無許可でしょアレ…笑)、場面転換ごとに状況説明をしてくれるから、むしろ親切心すら感じてしまいます。

自分は人物認識能力があんまり高くないので、彼が「一方、ブルース・U!」とか言ってくれると「あっ、こいつブルース・Uか」と理解が進んで助かりました。

視聴者を置き去りにしているようで、ちゃんとフォロー(?)していますよね。この作品。

こうなればあとはもう、このユニバーサル・デザインなクレイジー・ワールドに浸るのみですよ。

気を抜くと振り落とされそうな、ギリギリのスピード感がもはや心地よくなってきます。

そう、で、本作、テーマとしては児童誘拐を据えているのもあって、描かれているものはけっこうヘビーでした。

誘拐がごくごく当たりまえに発生する村だったり、それに対応するはずの警察官の無能っぷりだったり……

そこにはそれが恒常的になってしまった、そんなやるせない怒りもぶつけて描いているのかな…などとも思ったのですが、

オススメに出てきた流れで『鉄拳とジャンプキック -カンフー映画の舞台裏-』を観てたんだけど、何の予備知識もなく観始めたから最後の最後ウガンダのナブワナ監督の話が出てきたのマジでびっくりしたしクレイジーワールド観といてよかったなってhttps://t.co/p4pmqk3XLV

— シェフの気まぐれにょきにょき核酸 (@ju_o_mo) January 4, 2022

この方のツイートから『鉄拳とジャンプキック カンフー映画の舞台裏を観てみたところ、あながち間違いではないのかなとも思ったり。

“何が暴力かは知ってる。突然村に軍の連中が来て、父を物陰に連行し、そこで発砲した。それが暴力。私のは教訓だ”

そう作中で語っていたナブワナ監督。そんな彼のバックボーンを知ったうえで本作を観るとより、自国への憂いと望みのメッセージを目いっぱいのカンフーとコメディで彩るという、高次元のミックスがなされていることに驚かされます。

クレイジーの皮を被っているのはダウダ・ビサソだけではなく、この映画こそ…いや、監督的には本作をカオスに作った覚えはないのかもですが。

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