こんにちは、とあるです!
今回はジェラルド・バトラーとゲイリー・オールドマンという豪華二大俳優共演で送る、緊迫の軍事アクション&ドラマ、
『ハンターキラー 潜航せよ』
(C) 2018 Hunter Killer Productions, Inc.
についてお話しします!!
『レッド・オクトーバーを追え!』や『U・ボート』、『クリムゾン・タイド』など、いわゆる潜水艦モノと呼ばれる作品が数多く輩出された1980~90年代。
しかし近年では潜水艦技術が大きな発展を遂げていたことや、映像技術が追い付かなかったことなどもあり、潜水艦を扱った映画自体少なくなっていたようです。
恥ずかしながら自分は上記のどれも鑑賞していないのですが、確かに潜水艦アクションって目にしたことなかったなぁ…と思い、観てみることにしました!
この記事の目次
- 作品情報
- 主なスタッフ
- 主なキャスト
- 予告動画
- あらすじ、ネタバレ
- 感想
- 陸海の共同作戦がアツい!
- 動かざること山の如し
- ゲイリー・オールドマンの役に魅力がない
- まとめ&評価
作品情報
原題:『Hunter Killer』
製作年:2018年
製作国:イギリス
上映時間:122分
原作:「ハンターキラー 潜航せよ」ジョージ・ウォーレス,ドン・キース(ハヤカワ文庫)
公式サイト:https://gaga.ne.jp/hunterkiller/
主なスタッフ
監督:ドノバン・マーシュ(『裏切りの獣たち』)
製作:ニール・H・モリッツ、トビー・ジャッフェ、ジェラルド・バトラーら
音楽:トレバー・モリス/衣装:キャロライン・ハリス/撮影:トム・マレー/編集:マイケル・J・ドゥーシー
主なキャスト
ジョー・グラス艦長:ジェラルド・バトラー(『エンド・オブ・ホワイトハウス』、『300 スリーハンドレッド』)
チャールズ・ドネガン統合参謀本部議長:ゲイリー・オールドマン(『ハリー・ポッター』シリーズ、『LEON』)
ビル・ビーマン:トビー・スティーヴンス
アンドロポフ艦長:ミカエル・ニクヴィスト
ジョン・フィスク海軍少将:コモン/ジェーン・ノーキスト:リンダ・カーデリーニ
※太字=役名、細字=俳優名。括弧内は主な出演作。なお、アンドロポフ艦長役のミカエル・ニクヴィストは本作が遺作となりました。
予告動画
あらすじ、ネタバレ
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感想を読む
ザカリン露大統領がロシア北西部コラ半島の軍事基地に発った直後、基地周辺海域で米露双方の原潜沈没事件が発生。
米国防総省のドネガン統合参謀本部議長はビーマン率いる4名の特殊部隊に基地の偵察を、攻撃型原潜アーカンソーに海中の捜索を命じると、その後、無事ロシアに潜入した彼らから基地の中継映像が送られてきました。

映っていたのはザカリンを監禁してクーデターを起こすドゥーロフ国防相の姿。調査にの結果、両国原潜の沈没も彼の自作自演であったことが分かります。ドゥーロフは事故を利用して戦争を引き起こし、権力と強いロシアの両方を得ようとしていたのです。
これを受けて米大統領は臨戦態勢を整えますが、米露間の戦争はどうしても避けたいもの。そこで現場にいるビーマン達とアーカンソーにザカリンの救出を命じることにしました。
しかしビーマン達の兵数では例えザカリンを救出できたとしても、そう長い距離を護衛することはできません。そのためアーカンソーは大量の機雷が仕掛けられたフィヨルドを抜けた先、基地内の埠頭で彼らを回収することに。
そこでアーカンソーのグラス艦長は沈没した露原潜コーニクの中で発見し、捕虜としていたアンドロポフ艦長を案内役に命じました。
この異例の采配には部下の多くが反対しましたが、事実、アンドロポフは米軍の海図にない道を通るなどの功を見せ、アーカンソーを無事に埠頭まで辿り着かせることに成功します。
現場叩き上げの艦長というだけでなく、慧眼の士でもあったグラスは、アンドロポフが祖国のためになら敵国に協力することも厭わない人物であると艦内で一人見抜いていたのでした。
その後、ビーマンが救出したザカリンを引き連れて埠頭にやってきましたが、彼は怪我で戦線を離脱していた部下を救う目的で単身、基地内に再出発。グラスは仕方なく出航し始めることになります。
しかしクーデターの失敗を防ぎたいドゥーロフはフィヨルドを封鎖して、駆逐艦ヤヴチェンコによるミサイル攻撃を開始。爆発により艦内には浸水が始まるものの、グラスは艦体を海底につけてこれをやり過ごします。
海底は通信圏外となっていたため、米国防総省では現場海域で確認した多数の爆発によってアーカンソーが沈められたと判断。ドネガンは開戦に向けて動き始めていましたが、アーカンソーは突如ヤヴチェンコの船首先に浮上するのでした。
グラスは海底で態勢を整える中、アンドロポフやザカリンたちと戦争を避けるための協議を重ねていました。
その中でヤヴチェンコの乗組員がアンドロポフに師事していた者達であることが判明したため、一か八か危険な通信圏内にまで戻り、ザカリンと共に無線で攻撃停止を呼びかけることとなったのです。
かつての師であるアンドロポフや大統領であるザカリンの声を聞いたヤヴチェンコの乗組員たちは、現艦長の命令に逆らって攻撃を止めるのでした。
焦ったドゥーロフは港に配備した対艦兵器を用いて、アーカンソーにミサイルを発射してきます。ロシアが先制攻撃を仕掛けた証拠を得たドネガンはすぐにそれを破壊するよう命令しますが、グラスは攻撃を仕掛けません。
するとドゥーロフの過ちに気づいたヤヴチェンコがバルカン砲を連射して、アーカンソーに向かってきていたミサイル全てを撃墜。その後に発射したミサイルでドゥーロフがいる基地司令部を吹き飛ばしたのです。
歓喜に沸くアーカンソー艦内。ザカリンが「何故こうなるとわかった?」と質問すると、グラスはまるで彼らが助けてくれるのを分かっていたかのように「いいえ、願ったのです。」と答えました。
こうしてクーデターは終わりを迎えます。アンドロポフとの別れ際に互いの豪胆さを認め合ったグラスは、部下を救出して戻ってきたビーマンとも固く握手を交わし、共に国へ帰っていくのでした。
感想
陸海の共同作戦がアツい!
公式サイトを読んでも、ポスターを見ても、“ハンターキラー”(攻撃型原潜の通称らしく、艦名はアーカンソー)とそこで指揮を執るジョー・グラス艦長ばかりがピックアップされていますが、
本作の構成はグラス艦長を主人公とする海中パートと、ネイビーシールズのビーマン隊長を主人公とする陸上パートが同時進行していくものとなっています。
最初のうちは潜水艦だけで話を持たせられなかったのかなー…中だるみのテコ入れ的な役割かー?…なんて思っていたのですが、これが思ったより作品にいいアクセントを与えていてですね…。
自動追尾魚雷を放つ敵原潜との囮を用いた攻防や、大量の機雷が仕掛けられたフィヨルドを通過するために岩壁スレスレを潜航するシーンなど、絶妙な緊張感が醍醐味の海中パートに対して、
ド派手な銃撃戦の他にも、これぞ特殊部隊というような華麗なバックスタブ、的確なヘッドショットなどが数多く登場する陸上パートは圧倒的な爽快感を味わえる作りとなっていました。
静と動、性質の異なる2つのアクションを交互に展開することで、鑑賞者の心情に緊張と弛緩の心地よい振れ幅を生んだ…とでも言うのでしょうか。
陸海の共同作戦はマジでアツい展開の連続でした…!!
動かざること山の如し
映画『300〈スリーハンドレッド〉』のレオニダス役などで有名な俳優、ジェラルド・バトラー。
(C) 2018 Hunter Killer Productions, Inc.
本作の主人公である攻撃型米原潜アーカンソーの艦長ジョー・グラスを演じた彼は、かつて300人の親衛隊を率いてペルシア軍と激戦を繰り広げた時のような、獅子のように猛る武を披露する…ことはないものの、

数々の修羅場を乗り越えて培われた確かな技術、そして類まれなる統率力を持った若き艦長という役を丁寧に演じていたように思います。
しかし艦長という役柄上、“戦況を読む”という点が多かった為か、イマイチその凄さが分かりにくかったというのもまた事実で、
特に機雷だらけのフィヨルドを抜けるシーンでは、土地勘のあるロシア海軍の捕虜を登用するという異例の采配を取ったものの、その後の指揮は彼任せ。
クーデターの首謀者であるロシアのドゥーロフ国防相が自艦にミサイルを放ってきても、「報復したら両国の溝を深めるだけだ」としてただ待つのみなど、
肝心なところで「真の軍人とは何たるや」、「平和を願う心に国境は無し」みたいな精神論に頼った采配をしていたことが残念に感じちゃいました。
結果としてミサイルはドゥーロフの過ちに気づいたロシアの駆逐艦が代わりに迎撃してくれた訳ですが、もしも仮にしてくれなかったら…?
乗組員全滅はおろか、米露戦争…第三次世界大戦開戦のシナリオだってありえたんじゃないかなーと思うし、
そんなリスクを冒してでも待つという行動に出た理由がいわゆる“勘”であったことも肝が据わりすぎて常人の自分には理解しがたかったです。
(C) 2018 Hunter Killer Productions, Inc.
てか迎撃したのもこんな位置じゃ爆風受けて潜水艦に被害出まくりだと思うんですけど…それはどうなのかな。
甲斐の戦国大名、武田信玄が軍旗に用いたとされる言葉に「不動如山(動かざること山の如し)」なんて一説がありますが、何事にも揺らがない心を持つというのは願ってもなかなか難しいもの。
艦長としての彼は他に類を見ない豪胆さを持っているのだとは思いましたが、困難を自らの力で切り開く采配などがもう少し見れるとよかったですね。
ゲイリー・オールドマンの役に魅力がない
豪華二大俳優共演を謳う本作には先程お話したジェラルド・バトラーの他に、チャールズ・ドネガン統合参謀本部議長役としてゲイリー・オールドマンが出演しています。
(C) 2018 Hunter Killer Productions, Inc.
ゲイリーといえば『LEON』のノーマン役、『ハリー・ポッター』シリーズのシリウス役などで知られる俳優ですが、
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でチャーチルを演じた際には、そのそっくりすぎる風貌やアカデミー賞主演男優賞を獲得したことでも話題となりましたよね。
SNS上でも根強いファンのいる彼だけあって、本作ではどのような演技を見せてくれるのだろうと期待したのですが…
正直、残念でした…。
主人公達の無謀とも思える作戦が危なくなる度、「何を考えているんだ!!」「どういうつもりだ!!!」「お前のせいだ…どうしてくれるんだ!!」ってうるさい。役に全く魅力がない…。
彼は単にグラス艦長やビーマンたちと違う角度から国を守ろうとしただけなのですが、彼らの思い描く“武力に頼らない国の守り方”を示すために作られた“安易なアンチテーゼ”に収まってしまっているように思いましたね。
なんでゲイリーはこの役を引き受けたんだろうなぁ…。
まとめ&評価
陸上の特殊部隊と海中の潜水艦が同時に1つの作戦を進めていく本作では、慎重に機雷を避けて進むといった緊迫感と、ド派手な戦闘シーンの爽快感が見事融合。
求めていたものと少し違った切り口だったり、ゲイリー・オールドマンの役に魅力がないのが残念でしたが、十分に楽しめる作品となっていました。
点数をつけて評価するならば…そうですね~…
71点!!
といったところでしょうか?
今回お話しした『ハンターキラー 潜航せよ』は2019年4月12日より全国の映画館で上映開始。レンタルや配信開始日の情報はまた分かり次第、更新します。
それでは今回はこの辺で。本記事に対するご意見、ご感想はコメント欄によろしくおねがいします。ではでは!