原題:Incoming 製作:2018年 セルビア・アメリカ合作 (C)2018 Incoming Productions, LLC. All rights reserved.
国家機密である宇宙刑務所がテロリストの手に。現場に居合わせたCIAメンバーとテロリストの攻防を描くSFアクション……
今回のブログはそんな、映画『ロックアップ』(2018)を観ての感想です。
とりあえず、はじめに言っておきたいこととしては「スコアドよ、こんな映画に出ている暇があるのか」。これに尽きます。
※以降は作品紹介や詳しいあらすじ、ネタバレ要素ありの感想を綴っています。
トータル満足度:3.5
⭐⭐⭐⭐
評価 :3.5/10。
ストーリー「2.0」/演技「2.0」/企画・アイデア「2.0」/演出(映像・音楽など)「2.0」/エモーションの震度「1.0」
※満足度・5つの内訳の見方と基準
この記事の目次
- スタッフ&キャスト
- 監督
- 脚本
- 主なキャスト/役名
- 予告編(字幕版)
- ストーリー
- ネタバレ、結末
- 感想
- Next コレ観る? 関連作品ピックアップ
- 特集:スコット・アドキンスの魅力をガッツリと堪能できるアクション映画シリーズ
スタッフ&キャスト
監督
- エリク・サラゴサ
脚本
- ジョーグ・サラレグイ
担当作:映画『ショウタイム』(2002年)※原作
主なキャスト/役名
- スコット・アドキンス/ライザー
役どころ:CIAの基地査定人
出演作:映画『デッドロック』シリーズ…ユーリ・ボイカ役 - アーロン・マカスカー/ブリッジス
役どころ:シャトル操縦手
出演作:映画『ボヘミアン・ラプソディ』…ジム・ハットン役 - ミシェル・ルヘイン/ストーン
役どころ:ライザーに随行してきた医師 - ヴァイディン・プレリック/アーガン
役どころ:テロ組織ウルフパックのメンバー、現・囚人
予告編(字幕版)
ストーリー
ロンドンの国会議事堂で爆弾テロ事件が発生してから5年後。世界各国で逮捕された国際テロ組織“ウルフパック”に所属している容疑者6人、アーガンらは、自分たちが地球近くの軌道上に浮かぶ刑務所のような極秘施設に監禁されていると知らないまま、厳しい尋問を受け続ける。そこにCIAから送り込まれた査定人ライザーや女性医師ストーンらが到着するが、アーガンたちは脱獄に成功して施設を制圧すると、地球に戻ろうとし……。
WOWOW 映画『スペース・ロック』紹介ページ
ネタバレ、結末
※この項は映画『ロックアップ』(2018)のあらすじを結末までネタバレしています。(所要時間:約1分半ほど)
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複数の主要国が活動を支援する宇宙基地。ここではテロ組織“ウルフパック”のメンバーであるアーガンやイドリスら6名が、ボスの正体について尋問を受けていた。
しかしある時、アメリカからの査察であるCIA構成員ライザーの随行者で医師のストーンは不手際により彼らの脱獄を許してしまい、基地を占拠されることに。
ライザー、ストーン、尋問担当官のキングスリー、シャトル操縦士ブリッジスの4人は、ロシアへの基地墜落計画を進める彼らへの対応に追われるのだが、
その最中にライザーが発した「アーガンは組織の宣伝担当だ」という発言を受け、ブリッジスは彼への不信感を募らせた。脱獄後の指揮一つを見ても、アーガンがただの宣伝担当とは到底思えなかったからだ。
(C)2018 Incoming Productions, LLC. All rights reserved.
ブリッジスの追求により、ライザーが明かした事実…それはCIAが以前から“組織のボスはアーガンだ”と暴いていたこと、そして自身は”工作員”として彼らに送り込まれてきたことだった。
当時のCIAは新しい運営モデルのサンプルとして基地に強い興味を抱いており、真実を明かして尋問が打ち切りになることを憂慮。
しかし、今になって自分たちが情報を独占することが自国の利益に繋がると方針を変え、基地が真実を明かしてしまう(=出資国全体が情報を得る)前に尋問を打ち切ろうと、閉鎖を企んだのだ。
この事実は一行を動揺させ、キングスリーを囚人たちへの単身突撃へと突き動かした。結果、捕縛された彼は基地の操縦を無理強いされ、墜落計画は更に加速してしまう。
これには「工作活動は未遂とは言え、ライザーは告発すべき敵だ」と考えていたブリッジスたちも状況打開のために、彼と協力して囚人に立ち向かった。
(C)2018 Incoming Productions, LLC. All rights reserved.
3人は一人、また一人と敵を屠ると、隙を見て切断されていた通信回線を復旧し、基地の運営理事会に事態報告を完了。キングスリーの命は救えなかったが、その後、囚人の殲滅に成功するのだった。
しかし、基地はこの時既に大気圏への突入を目前に控え、墜落計画の完遂を恐れた理事会によって発射された迎撃ミサイルはすぐそこまで接近していた。
告発を免れようと、2人を出し抜いて足早にシャトルに向かうライザー。ストーンはそんな彼を格闘の末に撃破すると、ブリッジスと共にシャトルに乗り込み、地球への生還を果たすのだった。
感想
前書きでもお話した通り、「アクション映画メインのスコット・アドキンスもSF映画で主役張ってんだな~~~」と思い、鑑賞したこの『ロックアップ』(2018)
元々、彼の出演作を追ってみようと思ったキッカケがアクションの凄さにあったので「まぁ…最悪、バトルシーンがしっかりしてたらイイかな?」なんて思っていたりもしたのですが、
この映画はSF要素の限りなく薄い…かといってアクション映画とも言い難い、誰が主人公かも定かでない中途半端なスペースデブリ映画として、僕の淡い期待を見事に打ち砕いてくれました(罵詈雑言)

まず第一に誰が主人公なのか定かでないって話なんですけど、中盤までは確かにスコット・アドキンス演じるライザーを主軸に物語が進められていたにも関わらず(彼、一応トップクレジットだしね…)
何故か中盤からは“利益のために不正を働く会社VSそれを断じて許さない正義の社員”みたいな対立構図のもと、ライザーの裏の顔を暴いたストーンたち2人にスポットが当たり始めていくんですよね…。
監督としては政府による陰謀を絡めたサスペンス・スリラーのテイストを保ちつつ、不正に立ち向かう正義のヒーロー、ヒロインの活躍と危機を同時に描いて一本の映画にまとめあげてやろうって魂胆なのでしょうか…??
もし、そうだとしたらそもそもの内容的な不発感、共倒れ感はともかく…主人公を他に移すという手法が強引過ぎて、鑑賞者に不必要な混乱を与えるものだったと思いますし、
ストーンなんか“頭がフラワーガーデン過ぎて脱獄引き起こしたヤツ”くらいの描き方しかされてない状態だったのに、そんなヤツの物語に身が入る訳が無いだろっていう…。
序盤で脱獄した囚人たちが「自分たちは宇宙に居るんだ…」と気づくシーンでも、衝撃の事実!!とばかりに引きで撮った銀河の映像が流されていましたが、んなこと鑑賞者は既に知っているワケで…。
どうにもこの監督、「鑑賞者は誰の立場から物語を観進めるのだろうか…」とかをよく理解もせずに、行き当たりばったりで作品を撮っているように思えてなりませんでした。
話をうまく進められないなら、「せめてアクションシーンだけは頑張ってくれよ…」と思ったものの…それすらも叶わず。
本作のスコット・アドキンスの役柄を強キャラに設定しなかったのはどのような考えによるものなのか、敵とのタイマン勝負においても彼の高い身体能力を生かした妙技の一つも見せてくれないSっぷり。
アクション向きでない俳優たちが戦いに加わる乱闘シーンも縦に横にと激しく揺らすカメラワークで“戦っている雰囲気”を撮りたいだけなのが見え見えでしたし、
本作のアクションシーンは話のデキの悪さに見切りをつけた鑑賞者を絶望的な不完全燃焼感に陥れるクオリティとなっていましたね。
唯一、中盤の戦闘では普段ステゴロで相手を制すことの多いスコット・アドキンスには珍しく、ナイフを用いた敵にナイフで戦いを挑むシーンなんかもあり、
まるで“蝶のように舞い、蜂のように刺す”を体現するかのようにピンポイントで敵の体の筋のみを切りつけるバトルスタイルで戦っていたのは純粋に面白いな~~とは思いましたが…それだけではやっぱり物足りない。
予算の問題からか宇宙基地が舞台なのに無重力表現もないし、武器もスタンバトンやメリケンサックといった現代的なものばかりなんだから、
せめてあのジャケットのようなね…馬鹿でかいレーザー銃で交戦するシーンの1つでもあれば、ちょっとしたSF感も得られるし、ガンアクションという幅が生まれるのになぁ。
まぁ、それがあるからといって傑作には絶対になりえませんけどね…(-_-;)
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特集:スコット・アドキンスの魅力をガッツリと堪能できるアクション映画シリーズ
(C)2015 UN4 PRODUCTIONS, INC
デッドロック 絶対王者ボイカ
強すぎる力のあまり、試合中に相手選手を殺害してしまった格闘家ユーリ・ボイカ(スコット・アドキンス)。遺された相手の妻がマフィアの横暴に苦しんでいることを知ったボイカは、彼女の借金を肩代わりすべく、苦しき贖罪の道を歩みはじめる…
予告編はこちら(下に開きます)
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