原題:Terrifier 製作:2016年 アメリカ © Dark Age Cinema,LLC
ハロウィンの夜に現れた、不気味なピエロ“アート・ザ・クラウン”。彼と出会ってしまったティーンたちが味わわされる、最凶最悪の一夜を描いたスプラッタ・ホラー……
今回のブログではそんな、映画『テリファー』を観ての感想を載せています。
ジャケットにも映る金切ノコギリで刻んでいくのは、首ではなくアノ場所から…ガーショガーショとぶった斬っていくさまは壮観でした。大好き。
※以降は作品紹介や詳しいあらすじ、ネタバレ要素ありの感想を綴っています。
トータル満足度:7.5
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐

評価 :7.5/10。
ストーリー「3.5」/演技「3.0」/企画・アイデア「4.0」/演出(映像・音楽など)「3.0」/エモーションの震度「5.0」
※満足度・5つの内訳の見方と基準
この記事の目次
- スタッフ&キャスト
- 監督・脚本
- キャスト/役名
- 予告編(字幕版)
- ストーリー
- 感想(ネタバレ要素あり)
- 「掴みどころのなさ」という恐怖
- PICK UP! 関連作品
- 特集:もっとピエロを…もっとグロさを…殺人ピエロが登場する映画・ドラマシリーズ
スタッフ&キャスト
監督・脚本
- ダミアン・レオーネ(編集も担当)
監督作:『マミーVSフランケンシュタイン』(2015年)
キャスト/役名
- デヴィッド・ハワード・ソーントン/アート・ザ・クラウン
役どころ:正体不明のピエロ
出演作:TVドラマ『Nightwing: Escalation(原題)』…Joker役 - ジェナ・カネル/タラ
役どころ:ドーンの友人
出演作:映画『バイバイマン』…キム役 - キャサリン・コーコラン/ドーン
役どころ:タラの友人 - サマンサ・スカフィディ/ビクトリア
役どころ:タラの姉
予告編(字幕版)
ストーリー
タラとドーンは、ダイナーで不気味なピエロメイクの男と遭遇。すぐに二人は店を出るが、車がパンクしていた。迎えに来てもらおうと妹に電話をするタラ。しかしその裏で、ピエロ男はダイナーの店員を殺害していた…。
ゲオナビ vol.213 映画『テリファー』紹介ページ
ラスト、結末までの簡単なネタバレ解説
妹ビクトリアへの電話を終えると、これまでの恐怖からか尿意を催してしまうタラ。
ドーンをひとり車内に残し、近くの家屋に駆けこんだ彼女だが、用を足して出てきたさきには例のピエロがいた。タラは捕まり、さきに彼の餌食となっていたのであろうドーンの処刑を見せつけられる。そして、自らも同じ道をたどることとなるのだった。
ピエロの犯行はその後も、タラを迎えにきたビクトリアへと及び、のちに彼女からの通報を受けた警察が、現場に駆けつけるまで続く。
ホールドアップを要求されたピエロは、なんのためらいもなく自らの頭を撃ちぬいて死亡する。このとき、ビクトリアは彼に顔面を貪り食われている最中だった。
事件の収束後、幸か不幸か生きていたビクトリアは、一躍、時の人となり、TV番組への出演も果たす。しかし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に突きうごかされた彼女は、自らの容姿をいじった番組MCの殺害に至った。
また、事件後に死亡したのはMCだけではない。ピエロが収納されている遺体袋を開けた事件の検死官は、中で横たわっていたピエロに首を絞められ、窒息死させられたのだ。ヤツは生きていた。
感想(ネタバレ要素あり)
© Dark Age Cinema,LLC
テリファー
日本でのレンタルが始まる前から、一部のコアなホラー好きに人気のあったピエロ映画。噂に違わぬ傑作スプラッタ・ホラーでした。
ストーリーとしては殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」の凶行と、彼に襲われる人たちの顛末を描くといったシンプルなモノ。

しかしながら、その犯行はバリエーションに富んでいて、悪趣味なウィットさで溢れかえってましたね。
頭部ランタン、糞便アート、おっは°い剥ぎ取りユラユラダンス、女小生器ギコギコetc.
糞便アートなんて汚すぎてもう勘弁してくれってレベルだし、もしも、自分がその掃除を任されたら…きっとストレスで首を括ってしまうと思います。
よくもまぁ、監督はこんなにもイヤらしいアプローチばかり思いつくな…と感心の連続。
それでいて人体破壊の描写は懇切丁寧に仕上げてきていたんで、きっと彼は斜め上方向にストイックな方なんでしょうね。
「掴みどころのなさ」という恐怖
また丁寧、ストイックといえば、アート・ザ・クラウンのキャラクター性もよかった。細かい違いは省くとして、ピエロ、クラウンというのは、本来、喋らないモノらしい。
その点、このアート・ザ・クラウンは基本を忠実になぞらえて無口に徹し、ウソっぽい喜怒哀楽をパントマイムで表現してました。
おかげで何を考えているのかが全くわからない。何者なのか?なぜ、こんなことを?次に何を繰り出してくる?ショットガン?手榴弾?それともレーズンパン?全てが不明瞭。
途中、今までのおどけた様子とは違い、無表情で拳銃を撃ちまくるシーンがありましたが、そういう「掴みどころのなさ」がこのピエロの最大のアドバンテージでした。
ある心理学の教授によると「人は曖昧で予測不能な様子に不気味さを感じる」そうなので、アート・ザ・クラウンはまさにその究極形ともいえますね。
ストーリーが進むたびに垣間見える新たな顔。返り血に濡れ、徐々に赤くなっていくモノクロツートーンの服と合わせて良いエッセンス。
ただ1つ、あのラストだけは彼が「人ならざるモノ」と断定されてしまい、掴みどころのなさが失われたようで嫌でしたが、このクオリティなら続編も観たい。
現在、本作の監督ダミアン・レオーネ&デヴィッド・ハワード・ソーントンのタッグで続編である『Terrifier2』を鋭意製作中のようなので、楽しみにしたいところです。
いずれピエロ映画界の巨星となるくらいの活躍を期待してるぞー。
PICK UP! 関連作品
特集:もっとピエロを…もっとグロさを…殺人ピエロが登場する映画・ドラマシリーズ
(C) Fantastic Films / Tailored Films 2012
道化死てるぜ!
営業で呼ばれた誕生日パーティーにおいて、ピエロのリチャードはまさかの“死亡”。あの日、自らを馬鹿にし、死に追いやったクソガキたちをいたぶるべく、リチャードは6年越しに現世へと甦りを果たし…2012年シッチェス映画祭ミッドナイトエクストリーム部門グランプリ受賞作。
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アメリカン・ホラー・ストーリー:怪奇劇場
シーズンごとにキャストや設定が変わるアンソロジードラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』の第4シーズン。怪奇劇場の経営立てなおしのためにスカウトされた“2つの頭を持つ女”。しかし、劇場の周りでは、殺人ピエロ“ツイスティ”による犯行が多発しており…ツイスティは第7シーズン”カルト”でも一話のみ登場を果たしている。
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